航空会社が路線を開設し、運行を続けるにはそれなりの人や物の移動がある。
ペルシャ湾岸のオマーンの首都マスカットから約5時間の飛行の後、着陸態勢に入ると窓の外にはザンジバルの海岸が美しい。珊瑚礁のリーフがコバルトブルーに輝いている。マスカットからの乗客の8割がここで降りる。観光客らしき人の姿は少ない。小さな子どもを連れた妊婦、黒いベールをかぶった女性、白いイスラムの服を着た男性、機内にはアラブ風の生活感が溢れている。飛行中に映画を上映するスクリーンに時々メッカの方向とメッカまでの距離が表示される。機体が旋回すればメッカの方向がどんどん変わって行くのがわかる。1日5回のお祈りの時間には、乗客は心の中でお祈りをしているのだろうか。
ザンジバルより搭乗する人が空港ビルから滑走路上をテクテク歩いて来て機内に入り、離陸すると15分後にはダルエスサラームの空港に着陸する。高速船でも1時間程度の距離、世界最短?の飛行時間をひとっ飛び。
アフリカの東海岸は、アラブ世界とつながる長い歴史がある。アラブの商人の手で、奴隷貿易が行われ、内陸から連れてこられた奴隷はバガモヨを経由地としてザンジバルから積み出されて行った。
ザンジバルに住む、アラブ系タンザニア人の利用が多いガルフ航空は、週3便、マスカット/ザンジバル/ダルエスサラーム/マスカットと三都市を一周する三角形の路線を飛んでいる。同じアラブ系の航空会社のエミレーツ航空は、ドバイを拠点としてドバイ/ダルエスサラーム間を毎日運行している。
ダルエスサラームの街を歩くと、繁華街の中心付近がインド人街と呼ばれている。商店主はインド系の人が多く、旅行会社の経営者やスタッフもインド系タンザニア人が多いようだ。週2便 エアインディアがインド人を乗せてボンベイから飛んで来る。
この地を植民地としていたイギリスから英国航空が飛来し、一時植民地としていたドイツに替わってKLMがキリマンジャロへの観光客を中心とした路線を持っている。
南アフリカは、タンザニアの鉱物資源の採掘権などに影響力を持つほど、タンザニアとの関係が深く、南アフリカ航空にはヨハネスブルグからの路線がある。
街で会う人が、日本人を見ても『中国人』と声をかけてくるほど、中華人民共和国との人的交流が広がり始めていることを考えると、中国民航で行くダルエスサラームという路線が開設される日も遠くないかもしれない。
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今回初めてタンザニアを訪れた私が書くレポートは、タンザニアに関する認識の浅さを露呈することになり、まことにお恥ずかしいしだいである。
現地の最新情報はジャタツアーズのスッタッフ松野下さんのタンザニアレポートの連載に任せるとして、私は、私の関心事に限って書き連ねてゆくことにしよう。
次号に続く
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