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【連載その7】『タンザニアの農村滞在と民族音楽』に同行して
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(株)マイチケット 山田 和生
8月17日より8月29日まで、南部アフリカネットワークが呼びかけたタンザ
ニアへの旅行に同行したレポートの7回目。
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■□■□ 伝統の文化への出会い方 ■□■□
「農村滞在と民族音楽」という今回のツアーのタイトルにもあるザウオセさん率
いるチビテの民族音楽公演は、この旅行の目玉である。タンザニアといえば動物と
キリマンジャロを思い浮かべる日本人にタンザニアの人々の暮らしと文化に出会う
機会を提供する貴重な企画でもある。
公演はバガモヨに近い村にある、ザウオセさんの家の庭で行われる。「チビテ」
というのは、演奏家集団というよりも、ザウオセさんといっしょに住んでいる家族、
親戚やお弟子さんたちの一団といったいった方がよいかもしれない。われわれツア
ーのメンバーは、生活の中に音楽がある人々の家におじゃまして演奏を聴くことに
なる。
この国を代表する音楽家であるザウオセさんも、眼病を患い左目がほとんど開い
ていないためか、以前に比べると演奏の登場回数が、やや少なくなっているようで
ある。その分、甥にあたるチャールズさんが演奏を引っ張って、イリンバの演奏に
踊りに歌に大活躍。三拍子、二拍子、四拍子と変幻自在の曲が登場し、すばらしい
ハーモニーが展開される。「チビテ」の公演が始まる前には、ビデオ撮影や録音を
決してしないように繰り返し案内がある。世界公演やCDの販売などを経験してい
る彼らは自分たちの音楽の意匠を守る姿勢がはっきりしているのであろう。
今は、バガモヨに住むザウオセさんの出身はドドマの地方である。この地方に住
むゴゴ人には風土病で視力を失った人が多く、そのせいか口伝えで引き継がれる伝
統音楽が盛んだ。今回のツアーで始めて、チャールズさんの案内で、彼らの故郷で
あるブギリ村での農村滞在が実現した。チャールズさんはブギリ村に至る道中のち
ょっとした時間にもイリンバを弾き、参加者は村でも演奏を満喫できた。チャール
ズさんにイリンバの音階について質問すると、西洋音楽のドレミにあたるものが、
小さいチリンバで12音、中ぐらいのイリンバで40音、大きいイリンバで80音と、
熱心な解説が返ってくる。ザウオセさんにはすばらしい後継が育っているようだ。
音楽と並びタンザニアの代表的芸術にマコンデと呼ばれる黒檀の彫刻がある。マ
コンデの名人の作品は精霊シェタニを現したものが多い。作者の夢に登場する精霊
と、その物語を背景にした彫刻は、おどろおどろしくて愛らしい。部屋に飾ってお
きたいけれども、あまりじっくりと目を合わせたくない。人間の深層心理を投影し
たような恐ろしさがある。このマコンデの彫刻にも独創的な第一世代の終わりとそ
の後継の問題があるようだ。
ダルエスサラーム郊外、黒檀の木彫りで有名なマコンデの村にバスが止まると店
の売り子の呼び込みが激しい。お土産用の彫刻を売る店の数は多いが、どの店もほ
ぼ同じ品揃えである。彫刻の仕事にはムラがあり、作りが粗雑なものも目につく。
さて買おうと思うと、値段の交渉をしなければならない。ここでは、言い値の半額
ぐらいが仕入れ値ではないかと思われる。3割〜4割引きまではがんばろう。
観光開発が進むタンザニアで、伝統文化が商品となり村で収入を得る手段となっ
てゆく。コピーの土産物を作り続けることで、伝統文化の背景となっている、民族
の物語がかき消されてゆくのだろうか、あるいは、観光という異文化との出会いに
よって、かえって見直されていくのだろうか。
オーストラリアのアボジリニの場合、民族の文化の意匠を守るため、大資本が彼
らの伝統のデザインを利用する場合に意匠料を支払う方法を採用している。マコン
デも民族の文化の意匠を守るためには、このような方法を考えられないのだろうか。
最終回
【リランガさんの2002年のカレンダー販売中】
夢の中に出てくる 精霊シェタニのおどろおどろしくも愛らしいカレンダーです。
【お詫びと訂正】
前回の「キンゴルウェラ村への車窓風景」の記事中に位置関係の誤りをタンザニア
の根本さんよりご指摘いただきました。地名を東からならべると、ダルエスサラー
ム、チャリンゼ、キンゴルウェラ村、モロゴロの順になります。
訂正部分:「モロゴロ」→訂正→ モロゴロへ至る道と「T1」との分岐点
調査地点:
ダルエスサラームからチャリンゼ・モロゴロへ至る道と「T1」との分岐点経由
キンゴルウェラ村へ向かう舗装された幹線道路「T1」