メディアとNPO NPOの表紙へもどる
KPFA(市民ラジオ局)
KPFA FM
アメリカ最初の(リスナーに支援される)市民ラジオ局。1949年開
局。革新的な放送で知られる。表現の自由をめぐって裁判闘争を頻繁にた
たかってきた。番組の90%が自主政策の地域番組。運営主体・パシフィ
カ財団。出力5万9000ワットと通常の商業FM局並で、同じく同財団
が運営するフレズノのKFCF局などと連係して、州内3分の1の地域に
届く。
ロサンゼルス(KPFK)、ニューヨーク(WBAI)、KPFT(ヒ
ューストン)、WPFW(ワシントンDC)と提携してパシフィカ・ネッ
トワークを構成する。他に全米27州約50局とも連係。
フリーラジオ・バークレー
Free Radio Bekerley
米国で初めてFCCの差止め請求に対する違憲判決をかちとったミニF
M運動。アメリカでは現在、100ワット以下でも無免許ミニFM局は違
法になっているが、これに抵抗する「海賊放送」(自由ラジオ、マイクロ
ラジオ)運動が活発化している。93年からはじめたダニファー氏のフリ
ーラジオ・バークレー(15―40ワット)は、毎週日曜の夜、場所を変
えながら放送を行なっていた。同年11月、FCCは同氏に罰金命令を下
し(そのための手続きを開始し)、一時放送差止めを求めて連邦地裁に訴
えた。95年1月オークランド連邦地裁で一時差止めに関する判決が下り
たが、FCCのミニFM全面禁止は市民の表現の自由を奪う疑いが強いと
の、ダニファー氏側の勝訴だった。放送ライセンスをとるには10万ドル
もかかり、ダニファー氏らはラジオ放送の巨大企業による独占が、低所得
者・社会的弱者の放送による表現の自由を奪っていると主張していた。
レイバービディオ・プロジェクト
Labor Video Project
アメリカのケーブルTVの普及は世帯の60%以上。その中に、市民が
自由に無料で番組を流せるパブリックアクセス・チャネルがある。ケーブ
ル会社がその地域で独占的にケーブルTVサービスをするにあたって自治
体との間に、パブリックアクセス、教育、自治体の3チャネルを保証する
契約を結ぶ。
サンフランシスコのパブリックアクセス・チャネルは「シティ・ビジョ
ン」。ここで最長寿の自主制作番組が労働運動問題をあつかった「レイバ
−・オンザ・ジョブ」。隔週木曜8時―9時、活動家などを呼びスタジオ
で生放送を行なう。労働運動のメディア運動NPOであるレイバービディ
オ・プロジェクトが作成。レイバービディオ・プロジェクトは、ケーブル
TVの他にも、ビデオ流通、コンピュータネットなど多方面のメディア活
動を行なう。
サンフランシスコ地域テレビ公社(SFCTC)
自治体チャネル(チャンネル54) +パブリックアクセス・チャネル
?
San Francisco Community TV Corporation
市が設立したNPO。現在、政府チャネルである「City Watch」(54
チャネル)を運営し、今後、パブリックアクセス・チャネルを運営する予
定。
サンフランシスコのパブリック・アクセスは今のところまだ、ケーブル
会社(TCI)が運営している(シティービジョン局)。96年、バイア
コム社からTCI(全米最大のケーブル会社)に代わったのを機にNPO
運営への動きが活発化した。
SFCTCは全米最大の電子図書館である市立中央図書館(インターネ
ット無料端末が300台)内に事務所・スタジオを構える。自治体チャネ
ルの「City Watch」は、市議会の様子などを放映している。
ベイエリア・ビデオ連合(BAVC)
Bay Area Video Coalition
ビデオ作品の制作を支援するNPO。略称BAVC(ベイバック)。本
格的な機材のそろったスタジオ、編集室その他をもつ。実際にそこでビデ
オ作品をつくる他、講座なども開く。「非営利セクターのビデオ及び新テ
クノロジー利用を促進する全米最大のメディア・アート・センター」。市
長室コミュニティー開発局、連邦住宅開発局の支援を受けて低所得層のた
めのマルティメディア訓練プログラムもはじめた。映像のデジタル化に先
手を打って取り組んでいる。サンフランシスコのいわゆる「マルチメディ
ア・ガルチ」(マルチメディア産業の集中地区)の中にある。
聴覚障害のある人びとのためのクローズド・キャプショニング技術の支
援サービスも行なっている。
半島中部アクセス公社(MPAC)/パロアルト・ケーブル生協
Mid-Peninsula Access Corp
パロアルト市(シリコンバレー内、スタンフォード大学のある街)のケ
ーブル事業はアメリカでも珍しい生協形式。加入者が所有。地域の自主政
策番組に力を入れる。パロアルト市、メンロパーク市、東パロアルト市、
スタンフォードなどシリコンバレー地域をカバー。光ファイバーケーブル
・ネットワークづくりでも先進的な事業を展開する。ただ、慢性的な経営
不振で、私企業のケーブル会社との提携話が出ては、市民の強い反対で中
止になっている。市直営に移そうかという話もある。
ここのパブリック・アクセスは独自NPO(MPAC)をつくって運営
しており、そのマゴリーズ事務局長は、パブリックアクセスの歴史の生き
字引のような人。同じチャネル内に、スタッフ作成の「ローカルオリジネ
ーション」番組(後述)も流している。質が高く、数々の賞を得ている。
KQED(チャンネル9)
KQED
サンフランシスコの公共テレビ局。アメリカの公共テレビはNHKのよ
うな単一組織でなく全米約600の地域NPO局に分散化されている。K
QEDの場合、理事会が視聴者からの選挙で選ばれる。会議は公開。重要
問題が起こると多数の市民が参加する。VHFのテレビ放送(9チャネル
)とFM放送(KQED―FM)を流す。ネットワーク(PBS)からの
提供番組を流す他、独自番組も製作。会費を払う視聴者25万人(会費収
入が全予算の55%)。16万部の雑誌("San Francisco Focus")も発
行する。
ベイTV(チャンネル35)
BayTV
パブリックアクセスは市民が自ら制作した番組を流すということで価値
があるが、正直に言うとあまりおもしろくない。多くの人が見ているとは
言えない。そういう中でプロの制作者が地域にねざした番組をつくるとい
うことに一定の意味が見いだされてきており、それを「ローカルオリジネ
ーション」と言っている。ベイTVはサンフランシスコ都市圏を対象とし
たローカルオリジネーションケーブルTV局。地元新聞系のクロニクル放
送会社が運営する商業局で、ニュース、スポーツ、文化もの、その他を2
4時間流す。クロニクル放送会社はVHFのKRON(4チャンネル、N
BC系)も運営している。
パロアルトのパブリックアクセス局MPACのつくるローカルオリジネ
ーション番組はこのベイTVを通じても流されている。
KDTV(チャンネル14)
KDTV
中南米系(ラティノ系、ヒスパニック系)のテレビ局。多民族社会アメ
リカには多くの言語マイノリティがおり、UHF局を使って活発なメイノ
リティ言語放送を行なっている。サンフランシスコ圏では中国語、スペイ
ン語が多い(日本語放送もある)。スペイン語人口は都市圏内に100万
人いると言われ、複数のスペイン語放送局があるが、KDTVはその中で
最大。最近サンフランシスコの中心部の高層ビル最上階(41階)に移り
、絶好調。スペイン語だけで24時間放映。
サンフランシスコ圏の中南米系人口は現在120万人で全人口の19%。
2010年には28%を越すと推定される。
公共メディア・センター(PMC)
Public Media Center
NPOの「電通」。市民運動の主張を効果的に一般に訴えるためのメデ
ィア、広告的媒体について援助する。例えば日本の運動がニューヨーク・
タイムズに全面広告を出す場合などもここに頼んでつくってもらう。お金
がなくとも助成基金を探して支援。
IGC(エコネット、ピースネットなどを運営する世界通信研究所)
APC(進歩的通信協会)
Association of Progressive Communications
アメリカ市民運動の中心的コンピュータ・ネットワーク。エコネット、
ピースネット、レイバーネット、ウィメンズネットなど主要ネットがすべ
てここに統合され、巨大ネットを形成している。さらに世界20ヶ国以上
の市民運動コンピュータ・ネットとも連合し進歩的通信協会(APC)ネ
ットを形成する。世界の市民運動を連係し、ブラジルの国連環境会議(9
2年)以来、国連会議の正式ネットワークにも指定されてきている。地雷
廃止キャンペーンや、多国籍企業の監視を行なうTRACなど、国際的な
市民活動の基盤を提供している。日本ではJCAネットがノード(連係拠
点)になっている。
2、マイノリティー関係
National Network for Immigrant and Refugee Rights
移民運動の全米連絡組織。1986年、当時の雇用者罰則導入の新移民
法(IRCA)案に対する反対運動の中で生まれた。(IRCAは資格外
外国人を雇った雇用者への罰則を盛り込んで同年末に成立したが、同時に
300万人以上の資格外外国人の合法化も規定した)。地域の移民支援・
人権団体の連絡調整、情報提供などの役割を果たす。ファックス、電子メ
ールなどでの緊急行動呼びかけ、ウェブサイトでの情報提供(http://ww
w.nnirr.org/)、ニュースレー発行、などを行なう。
北カリフォルニア移民権利連合
Northern California Coalition for Immigrant Rights
サンフランシスコ圏の移民支援運動のネットワーク。1987年設立。
移民女性の支援プログラム、電話ホットライン、自治体・州政府向け活動
、移民(帰化者)の選挙権運動など多様な運動を行なう。アメリカの運動
体の常として、「全米」組織より「地域」組織の方がはるかに大きな運動
・組織を擁している。サンフランシスコ日雇い労働者プログラム
San Francisco Day Laborer Program
市が行なう外国人労働者支援事業。滞在資格にかかわりなく日雇いの仕
事斡旋を行なう。91年5月からはじまり、市長室が管轄し、年間予算七
〇万ドルを投じる。運営は中南米系を中心としたNPOが行なう。公園内
にトレーラーの事務所をおき、毎日朝、集まってくる労働者に日雇いの仕
事を斡旋する。
プログラムの初期に行なわれた調査では、サービス利用者の七六%がメ
キシコ系、残りがエルサルバドル、ホンデュラス、ガテマラなどの中米移
民であった。年齢は二〇代と三〇代で八〇%。仕事はペンキ塗り、住宅清
掃、引っ越し手伝い、建設作業、芝生刈り(ガーデニング)、屋根ふき、
大工作業など。アメリカで就労する際必要な社会保障番号をもっていない
人が五五%いた。
サンフランシスコ市は85年12月に「保護区都市」宣言(決議第10
87号)を上げ、「連邦政府の排他的権限」である移民局の外国人取り締
まりには一切協力しない体制をとっている。89年10月にはこれを条例
化(条例第375−89)し、「連邦移民法の執行」のために「市のあら
ゆる予算、資源を使ってはならず、市内在住者の移民法上の地位に関する
情報の収集・普及を行なってはならない」とした。「移民局による捜査、
拘留、逮捕手続き」への協力を禁じ、市業務の中で滞在資格に関する質問
をしたり、それを市のサービス提供、各種助成の条件にしたりすることを
禁じ、各種申請書に滞在資格の質問を含めることも禁じ、すでに作成され
ている申請用紙については、条例制定から60日以内にそのような質問項
目を削除することを定め、管理職は同条例を市のあらゆる職員に徹底させ
る義務を負い、規定を守らない職員には「適切な矯正措置」をとり、市の
人権委員会が実施状況をモニターして違反容疑や苦情などがあれば調査を
行なうこととしている。
ラザ労働協会
Instituto Laboral De La Raza
2947-16th St.
SF, CA 94110
外国人労働者支援運動。中南米系のミッション地区で1982年に設立
。全米に1000以上ある移民支援地域団体のひとつ。弁護士をかかえ、
法律相談を中心的な活動とする。その他、雇用者と交渉して未払い賃金を
出させる、労災に対応、職探し、ストライキ支援、各種生活相談など地道
で困難な日常的支援活動を行なう。前の事務局長ホセ・メディナは94年
に市議会に当選し、最近、州道路局長に「出世」した。アメリカでは市民
団体活動家でもどんどん行政に抜擢される。
のびる会/日本人渡米者の会
Nobiru-kai/Japanese Newcomers Services
74年に設立された日本人移民者・渡米者のための互助団体。サンフラ
ンシスコの日本人街(ジャパンタウン)に事務所を構え、各種ソーシャル
・サービス、親睦活動、文化行事、日本語クラス、英語クラス、古本市な
ど多彩な活動を行なう。日系コミュニティ文化センター
Japanese CC Northern California
アメリカの公民館。日本では公民館は行政がつくるものと決まっている
が、アメリカのコミュニティーセンターの多くはNPOによって建設、運
営されている。行政からも金が出るが、市民が積極的な資金集め活動を組
織し、企業などからの寄付も多い。このJCCNCはサンフランシスコの
日系人街「日本町」の中にある。1980年代に建設され、この地域の日
系人の文化・福祉諸活動の中心になっている。中に各種NPO事務所、体
育館(バスケット・コート)、高齢者食事プログラム施設などがある。
借家人・所有者開発組合(TODCO)
Tenants and Owners Development Corporation (TODCO)
60−80年代にかけてサンフランシスコの最大の再開発争点であった
ヤルバブエナ・センター開発で住民側を代表してたたかった団体(TOO
R)が設立した住民による街づくり組織(CDC、資料参照)。開発反対
にとどまらず、自分から低家賃住宅やNPO事務所などを積極的につくっ
てしまう米NPO運動の特質をまざまざと見せつけられる。全米でも最も
成功しているCDCのひとつ。
ベトナム系青少年育成センター
Vietnamese Youth Development Center (VYDC)
サンフランシスコのテンダロイン地区は、いわゆるスラムと言われ、単
身者男性が多く、売買春、麻薬取り引きなどが盛んな街である。そこにベ
トナム、東南アジア系難民がここ10−15年、多数入ってくるようにな
った。レストランや各種お店を開き、子どもも周囲に遊ぶようになり、街
が急速に変わりつつある。その必ずしも良好と言えない環境の中で青少年
の地域教育活動を行なうNPOがこのVYDC。学童保育、保育所、カウ
セリング、スポーツ、文化活動などを行なう。