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オルタナティブツアー・レポート

【ムビンゴの彫刻にチャレンジ】

 

関連ツアー マティアス・ナンポカに習う
 〜マコンデ彫刻ツアー〜
ツアー呼びかけ マイチケット
ツアー実施期間 2011年2月
報告者 北川 嘉瑞美 様 (お客様)

お客様によるマコンデ彫刻体験感想文です。

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マコンデ

マコンデ彫刻と言うアフリカ彫刻の先生マティアス・ナンポカには英語があまり通じないので、身振り手ぶりと簡単な英語でコミュニケーションをする。材木になってないムピンゴ(黒檀)はどれ?と聞くと隣家にある木のところに連れて行って、これだと言う。まだ、そんなに太くなっていず、アフリカの何処にでもありそうな木だった。最近では土産物の材料にするためムピンゴは大きくならないうちに切り倒されるので、太いムピンゴを手に入れるのはむずかしいという。

日本でデザインを2・3考えていったが全く使えない。ここにある木の反り方や膨らみの位置などを見て、どこから穴をあけていくか決めていくのだ。最初にデザインがあるのではない。

適当にスケッチブックに穴をあけていく部分を書いて、指で穴どうしがどうつながっているか?示しながら説明する。マティアスが彫り方を初めに示してくれ、見習って彫る。

マティアス家の庭のタマリンドの木の下で、ゴザに座っている時は中々涼しくて快適だったが、いざムピンゴを彫り初めてみると、堅い。道具はほとんど手作りで、丸ノミ・平ノミで穴の周りから彫り下げていくことは、並大抵な作業ではないのだ。両足で木が動かないように挟んで思い切り槌(堅い木でできた棍棒)でノミの頭を叩くのだ。みるまに汗が滴り落ちる。首にかけたタオルはすぐにぐちょぐちょ。でも、風があるので、タオルは汗を吸っては濡れ、濡れてはては乾きという繰り返しだ。

槌を打つ音で技量の高さがわかる。私が彫る時のつち音の弱いこと!マティアスの一撃一撃が力強くリズミカルだ。見る間に穴が深くなっていく私も慣れるに従って少しづつ音もマシになっていくが、この4日間でまともな音が出せることはないだろう。

初日で2個穴をあけ、二日目に3個の穴が開いた。穴と穴をつなげていきスケッチブックに、デザインを描き足していく。マティアスは図を描きながら彫るのは初めてと言う。ムピンゴ彫刻は木の精霊の意思に従えば、自然に彫り進めていけるように導かれていくのが本当なのだろう。でも、私はアフリカに初めて足を踏み入れた外国人だから、精霊の導きを感じることが出来ようもない。それに、力もない。子どものころから、父ナンポカに厳しく仕込まれながら、20年以上やってきたマティアスの技量と力はムピンゴのように圧倒的だ。

昼食の時、ウガリはおいしいね!という話になり、彼はライス(米)はおいしいけど、力が出ない。彫刻するにはウガリが一番。と言う。ウガリは腹もちが良くタンザニアンの力の源らしい。ナンポカ家のご飯は8時過ぎにパンとチャイの朝食、2時ごろにウガリとおかずの昼食、夜7時半か8時に夕食。労働するのは朝6時半か7時からで、短い食事休憩が朝と昼にあって、夕方6時まで。

最初の日は、始まったのがお昼だったんで今日は特別残業で6時か、と思っていた。ところが、二日目は朝早くから初めて4時ごろにはかなり疲れているので、もう止めようか?と言うと、とんでもない!まだ!というので、びっくり。時計も電気もないから、太陽が出て沈むまで働くのが当たり前なのだ。

3日目には、彫刻の大体の形が出来上がってくる。細かいところをノミで彫るのは、より繊細な作業だが、右手と左手、木を挟む両足の力強さがなくてはできない。私はせいぜい広い面や彫りやすいところしか手に負えない。大事な部分はマティアスが彫る。午後からはヤスリがけを始める。このヤスリがけがまた力が要るのだなあ。ノミを使うよりもしんどい。ヤスリをかける時も、重要なのは音。しっかりと両足で木を押さえつけ、力強くこすらないと効果ナシなのだ。マティアスのヤスリの音はゴリゴリと力強くリズミカル。

ムピンゴの粉がぱらぱらと落ちて見る間に表面の彫跡が滑らかになっていく。わたしも、頑張るがすぐに、腕が疲れる。汗が噴き出してシャツはぼとぼと。作品の上にも汗がぽたぽた滴り落ちる。マティアスのヤスリの効果の3分の1ほどしかなくて情けないが、でも仕方がない。いくら効果が薄くても、回数と時間でヤスっていくしかないのだ。苦行とはこれを指すのではないか!

空洞部の内側をヤスるのはとても難しい。角度を変えて足で挟み直しながら、ヤスリをあてていく。手はだるいし、股関節は痛いし、腰にも来る。全体的にヤスリをあてるとマティアスが不十分なところを軽々と、しかし力強く的確になおしていく。

二つ目のヤスリを次にあてる。これは、手製のもので、使う直前に目立てをしてより滑らかな表面を作り出す。そして最終はギザギザの普通のヤスリではなくて3角錐の稜線がナイフのようになったやつで表面をつるつるに仕上げるのだ。ヤスリと言うよりもカンナに近い。

マティアスが細かい所を仕上げしてくれているけど、私には、この作業は無理。手際の良さを近くで見れる喜びを味わうのみ。

子どもたちとの交流が出来たのは、私のできない作業に入ってから。すなわち、3日目の午後から4日目にかけて。

近所に人たちとの交流は少しだけ。作業中に、英語が出来る男がきて、世間話をする。何処から来たとか、日本の車はいいとか、タンザニアはなかなか発展しないんだ、日本人はみな金持ちかなど。暇な男が、多いようだった。女マコンデは誰ひとり訪ねて来ず、夜になって夕涼みの時に近所の女性がスザンナ(マティアスの妻)とおしゃべりしに来るのだが、そのころには私は疲れ切っていて、日記も書けない日があるほどなので、ろくに女性との交流は出来なかった。ちょっと残念。もう少し体力があればなあ・・・。

マティアスは彫刻では食えないので、スザンナのやっている炭屋を手伝っているらしい。仕入れに行く時は、頑丈そうな自転車で大きな袋に入った木炭を何個も荷台にくくりつけて走るのだろう。旅行中道端に大袋の炭を積んで売っているのをよく見かけたし、この国の燃料は炭または、女性が集めて来る薪である。3メートル以上もある木の枝を束ねたものを背負って運んでいる女性を何度も見かけた。

ナンポカ家では、木炭を小さいポリ袋に入れて売っている。村に1軒しか炭屋がないので、売れる。

ウガリを食べるし、チャイに大スプーン2杯のお砂糖を入れて飲むからもあって、タンザニアンは力が強く粘り強い。自転車に平気で100キロの荷物を積んで、アップダウンをものともせず走っている人々を多数見かけた。毎日やってるよ、と普通に言う。

金持ちは電気を引いていて、マティアスのところは電気がないと言うけれど、電気がなくてもやって行ける人ばかりだ。1日のうち6時間以上停電らしいし、私達が居る間も一日の半分以上停電だった。いくら金持ちでも電気を使える時間はしれているのだ。銀行でも停電時間中は、紙に明細を手書きして銀行印をドーンと押したものをくれる。停電のため業務が出来ないことなどあり得ない。

まだまだ、電気よりも人間の力で生きているタンザニア。ここに生きる人々だからこそ、ムピンゴの彫刻が出来るのではないか?黒檀の中に隠された生命のしるしを掘り出すように導いてくれる精霊を感じるのは、私には不可能だったが、導かれ方をこの目で見れたことは、未知の扉を開けるような大きな喜びであった。タンザニアに来て彫刻体験をしてはじめて味わうことのできる貴重なものであった。

3・11に福島原発崩壊の日本に帰ってきて、発展の悪魔に惑わされてきたことを噛みしめたのは、アフリカの精霊の導きなのかもしれない。(北川嘉瑞美)


マコンデ マコンデ マコンデ
※写真の彫刻は全て北川様の作品です。




タンザニア・チビテ

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  〜マティアス・ナンポカに習う〜」
 

ナンポカのマコンデ彫刻はすべてシェタニ(精霊)です。一見、好き勝手に延びているようなその黒く細い曲線たちは、実はしっくりつながり合って、一体のシェタニを生み出しています。このツアーではマティアス・ナンポカから直接、マコンデ彫刻を教わります。

ツアーの詳細北朝鮮「マコンデ彫刻ツアー」