カンボジアスタディーツアーレポート
期間:2003年8月20日〜8月26日 斎藤あゆみさん
私はカンボジアに出発する前、きっと貧しい風景をたくさん見て心を痛めて日本帰ってくるのだろうと思っていました。確かに国境では物乞いをする小さな子ども達を見てどうすることもできない自分が嫌いだったり、こうやって生活している人がいると思うと、胸が痛みました。だけど、私はカンボジアでもっと多くの様々な思いを胸に日本に帰ってきました。
まず、こどもの家に着いて「私には何ができるだろう。」と考えたけれど、そこでは一人一人が自分の仕事を持っていて私には何も求めていないように感じました。ただ、そこに住む人達の生活を自分も同じように体験しよう、少しでもお手伝いをしようと子ども達と一緒に洗濯をしたり食事の用意をしたりしました。私はこどもの家のハンモックに寝そべって、カンボジアの涼しい風に吹かれながらゆっくりと流れる時間が好きでした。あそこにいると日本人の時間に追われている毎日がなんだか奇妙に思えました。どこかに行くときはトラックの後ろに乗ってでこぼこ道をみんなでキャーキャー言いながら風をきって走ってとても楽しかったです。
学校では子どもたちが目を輝かせて授業を聞いていました。私たちが行ったとき、先生の指示で子どもたちは学校の外に出て葉っぱを集め始めました。私は理科の授業かと思ってたら算数でした。葉っぱを使って足し算や引き算をしていたのです。日本の授業のようにタイルを使わなくても算数が学べるのです。そこにあるものを使って生活するという現地の人々のやり方を見た気がします。先進国の人がズガズガと足を踏み入れてブルドーザーやレントゲンをカンボジアの人々に与えたとしても、人の手がいらなくなって動けなくなる人が出てきたり、使い方がわからずに何の役にも立たないと言う話をオカさんから聞きました。私たちは何か援助しようとするなら、現地の人々とよく話し合い、そこの人達が本当に必要としていることを援助することが大切なのだと思いました。
また、私はカンボジアの衛生面がどうなっているのかを知りたくて、スタッフの方と一緒に病院を見学させてもらいました。病院ではベットがあっても布団が無かったり、ハエがとんでいたり・・・。ここはカンボジアなのだから日本と比べることが間違っているのかもしれないけれど、やはり命にかかわる以上、衛生面はとても大切だと思いました。今の時期カンボジアではデング熱が流行しているそうです。だけどいつも開いている病院は少ししかなく、ほとんどの病院が閉まっている。本当に病院で診てもらいたいときに開いていなければ意味が無いのではと思いました。しかし、実際はきちんとした資格を持った医師や看護師がいないという問題があることがわかりました。
衛生面だけでも多くの問題があるように思われるカンボジアでは、もっと様々な面で問題があるのだろうと思います。そして、現地の人達にとって本当に必要な援助をするには一週間という期間では難しいと思います。一年でも二年でもカンボジアで生活して、もっとカンボジアのことを知ることが必要なのだと思います。しかし、今の自分にできることは何か。そう考えたとき、看護学を勉強している自分には、衛生面での支援だと考えました。スタッフの方と話をしたとき、これから衛生面にも力を入れていきたいと話していました。私は現地で生活しているスタッフが、カンボジアに最低限必要だと思う知識を現地の人々に広げていけるように、情報のお手伝いをしたいと思いました。
このようにツアーではたくさんの体験をして、考えることがたくさんありました。そして日本に帰ってきてから気付くこともありました。周りの人から「カンボジアは貧しかったでしょう?」と聞かれました。確かに日本のように物はありません。豊かな自然と人々の暖かさに触れて毎日心が満たされていたのです。本当の豊かさ、貧しさとは何なのか。お金や物に満足して生きることではなく、自然の中で村の人々と触れ合いながら生きることかも知れないと考えさせられました。スタッフやツアーに参加した仲間と夜遅くまでカンボジアのことやその他いろんなことを話したことは、自分の視野を広げてくれ、とても貴重な時間になりました。スタディツアーに参加し、カンボジアで体験して考えたことをこれからの人生の糧にしていきたいと思います。