カンボジアスタディーツアーレポート
期間2003年12月19日〜25日 九鬼立明さん 43歳・男
カンボジアスタディーツアーに初めて参加しました。栗本英世さんの講演を聞く機会に恵まれ,是非,自分の目でカンボジアの置かれている状況を見てみたいと思ったからです。そして,栗本さんと話をする中で,カンボジアの田舎の暮らしは,電気も電話もなく(当然,星も綺麗であろうから),人間本来の暮らしがそこにあるのではと感じ,是非それを体験し,自分自身の生き方を見つめ直したいと思ったからです。
ツアーに参加する前は,茅葺きの家に宿泊し,乾期とは云え蚊が沢山いてマラリアになる可能性もあるかも知れない,また地下水をくみ上げて煮沸しているとは云え,カンボジアの水が体に合わず下痢をするかも知れないなど,少しは不安もありました。しかしながら,「マイチケット」という旅行代理店が組んでいるツアーだし,何と言っても栗本さんがいるのだから大丈夫だろうと,案外気楽に構えていました。
C.C.HOMEに滞在したのは,12月20日から24日までの4泊5日でした。その間,ボランティアのスタッフである中井さん,栗本さん,そしてC.C.HOMEのカンボジア人スタッフの皆さんに,いろいろとお世話をしていただき,様々な体験ができました。
ポイペットの寺子屋をいくつも見学させていただきました。栗本さんと相談の上でしたが,日本から準備していった糸電話,紙のホイッスル,ゾートロープなどの教材を子どもたちに紹介し,体験してもらうこともできました。また,プレイコップ校では,持参した天体望遠鏡(90mmのマクストフカセグレン)で土星や星団などを子どもたちに見せることもできました。
いずれも日本にいるときから,子どもたちに科学の面白さを知ってもらいたいという思いで準備していったものですが,行き過ぎた部分もあり,却って迷惑をかけたのではないかと後悔している部分も多々あります。また,カンボジアであれもこれもしてみようと欲張りすぎ,C.C.HOMEにいるときも,何かと教材の準備をしていました。日本にいるときとあまり変わらず,自分自身で慌ただしくしていたのでした。今度参加するときは,もう少し,カンボジアの「風」に吹かれながらのんびりといろいろなことを感じ考えるゆとりをもちたいと思っています。
それにしても,乾期のカンボジアは本当に快適に過ごすことができました。乾いた空気と太陽の光で洗濯物もすぐに乾きます。日陰でハンモックに横たわっていると,気持ちよい睡魔もやってきました。
わずか5日間でしたが,C.C.HOMEのスタッフの皆さんのおかげで,大変快適な生活を送ることができました。いつも笑顔で接していただき,本当に居心地がよかったです。C.C.HOMEの子どもたちとも楽しいときを過ごせました。カンボジア料理もおいしくいただきました。毎日,3食ご飯をしっかり食べ,本当に健康的な毎日でした。感謝の気持ちでいっぱいです。カンボジア語を勉強しておき,少しでもお話しすることができたら良かったのにと思っています。
このように,スタディーツアーでは,カンボジアの「光」の部分ばかりを体験させていただきました。「陰」の部分を感じられたのは,国境を越えたときくらいでした。
カンボジアの子どもたちは一見,無邪気に,そして純朴に学んでいるように見えました。しかし,こうしたことが現実のものになっているのは,栗本さんやC.C.HOMEのスタッフが,学校をつくり,先生を受け入れる準備をするという営みがあってこそだと,日本に帰ってから,改めて強く感じています。C.C.HOMEのトラックに乗せてもらって移動しているとき,村の大人も子どもも笑顔で手を振ってくれました。それだけ,C.C.HOMEの取り組みがポイペットの村人たちに受け入れられているのだと思います。
もし,栗本さんたちの営みがなかったら,子どもたちは,どうなっていくのでしょうか,そしてカンボジアの将来はどうなっていくのでしょうか。それを想像するとき,カンボジアの深い「陰」の存在がはっきりと見えてくるようです。
今,私たちに何ができるのか,簡単には分からないと思います。しかし,できることはいくつもあるようにも思います。カンボジアが自立することは一朝一夕に実現するとは考えられませんが,未来を担う子どもたちを教育することが重要であることは確かです。「よかれ」と思って行う自己満足だけの支援や,こちらの都合で行う支援は慎まなければなりませんが,子どもたちの教育のための支援を何か一つでもできたらと思わずにはいられません。
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