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期間:2005年12月23日〜12月29日 林大貴さん(神奈川県)
スタディーツアーを終えて
2005年12月末に、初めてカンボジア子どもの家(以下、C.C.HOME)に行ってきました。5年前ぐらいから栗本さんやC.C.HOMEにいた日本人スタッフの方から、様々な話を伺っていました。スタディーツアーには、「なぜ、C.C.HOMEはもっとビジネスライクに運営していかないのか。」というテーマを持って参加し、この問いに対する自分なりの回答を見つけることができました。
現地では、国境沿いのカジノが象徴するモノやお金を尺度とする外面の豊かさと、カジノから車で30分のC.C.HOMEが象徴する愛にあふれた内面の豊かさ、この2つの価値観のコントラストが鮮明でした。カジノには、バンコクからカジノバスが運行され、タイの庶民の娯楽として、多くの人々が訪れています。煌びやかな内装、豪華な食事、お金をかけた真剣勝負、つかの間の喜怒哀楽を楽しみ、日ごろのストレスを発散し、また追い立てられる日常に帰っていきます。C.C.HOMEでは、昼間学校に行ったり、洗濯をしたり、掃除をしたりと、各自自分の仕事をこなし、夕方みんなが帰ってくると、バレーボールや大縄跳びが自然と始まり、笑い声がこだまします。日暮れから夜10時までの電気供給は、みんなで1つのテレビを楽しむ、家族団欒の時間です。大家族のひとりひとりに役割があり、それを自分のペースでこなしていくことで、全体の調和がとれ、お互いに認め合える関係が築けています。
では、C.C.HOMEが今もっている内面の豊かさを失わずに、外面の豊かさを得る方法はあるのでしょうか。明確な解答ありません。経済的な原理をC.C.HOMEに導入した時点で、今まで持っていた内面の豊かさは、お金や時間という尺度によって侵食され、少しずつ減っていきそうです。どこまで減っていくのでしょうか。わかりません。内面の豊かさの保持のみに注目して、C.C.HOMEを取り巻く、社会状況の変化を無視するわけにいきません。 カンボジア社会は確実に、内戦の後処理の段階から、次の経済発展の段階に移ってきています。C.C.HOMEも今までの栗本さんという人間によって支えられてきた段階から、次の段階への移行期に突入した気がします。
今までは、ビジネスライクにやっていく段階ではなかった。必要とされていたのは、「愛」。内戦後の不安定な時期、落ち着いて生活できる状態を作ることが最優先であったのだと思います。今後のC.C.HOMEのあり方はどうなるのでしょう。経済発展の光と影は、有無を言わせず彼らを巻き込んでいきます。光と影を知っている日本人スタッフにとっても、難しい挑戦です。当事者である、カンボジアスタッフそれぞれの判断にゆだねるにも、彼らの見ている世界は狭く、外面と内面の豊かさのバランスをうまく取っていくことは難しい挑戦です。それでも、前に進んでいくしかありません。時代の流れに乗りつつ、いかに流れを味方につけ乗りこなしていくか。流れに乗る様々な挑戦の中からいい方法が見つかることを願っています。