Link〜森と水と人をつなぐ会〜は、今年(2004年)1月に設立された団体です。設立の目的は、「タイのチェンマイを拠点にアジア各地の人々と連帯を築き、それぞれの地域にくらす人々が民族や宗教を越えて互いを尊重し協力し合いながら、自然との共生を通して持続的な社会の実現を図ること」です。“まっぷらん”は、Linkのニュースレター。支援者の皆様に私たちの活動についてお知らせすると同時に、環境や開発について、一緒に考えるきっかけを提供させて頂ければと考えています。
◆ヴィアンパー計画について()
この第2号では、創刊号に続いてLinkの活動や北タイの現状について、少し詳しく書いていきたいと思います。Linkについて知って頂くための前提となるものなので、多少長く退屈かもしれませんが、お付き合い下さい。
【北タイの環境問題@〜森林破壊〜】
創刊号にも書いたように、北タイの70%以上は山岳地帯であり、チャオプラヤー川やメコン川など、さまざまな河川の重要な水源地となっています。そこには盆地部の水田地帯を中心にタイ系の民族であるコンムアン、山岳地帯にはパカニョー、モン、ラフ、アカ、ミエン、リス、ワといったたくさんの少数民族が焼畑を主としたくらしを営んできました。
ところが近年の森林の乱伐により、環境破壊が深刻になると、政府は山岳地帯の大半を十把一絡げに国有林として指定し、村人の移動や利用を制限・禁止してしまったのです。
森林破壊の理由は、人口増加や、国境を接するビルマやラオスの政治の影響を受けて流入して来た諸民族の耕地開墾、その他の理由が複雑に絡んでいるのも事実です。しかし、主たる原因はこうした少数民族による伐採よりも、タイ政府から伐採権や採掘権を取得した、バンコクや外国の企業による森林伐採や土砂などの採掘、大規模農園の開拓にあるといわれています。
最近では、主に山岳地帯に住む少数民族は森林地帯で長くくらしてきた経験から、むしろ地域の資源を有効に利用し、持続的な土地利用を行なうなど、自然と共生する知恵をもっていると看做(みな)されるようになってきました。
ただ、こうした地域の人々が決して乱伐をしなかったわけではないことは、多くの村人が認めるところです。そのきっかけは、多くが伐採権を持った企業などの進出に伴って起こります。木材や土砂などの搬出を必要とする企業の進出は、道路開拓を伴います。これによって村人の街への移動を容易にし、また街の商人が入ってくることを可能にします。これらはそれまでの自給自足的なくらしを、急速に現金経済に引き込んでいきます。企業の資源の利用方法はいわば「収奪型」といえるもので、利益を上げることに主眼があり、地域の環境保全や資源の再生・持続的な利用などには関心がありません。大きな力を持った企業は、地域や民族の慣習など一顧(いっこ)だにせず、有無を言わさず資源を奪います。
こうした状況下、「ただ奪われるよりは、自分たちでも木を伐って企業に売った方がいい」と考える人たちも少なからず出てきました。こうした森林破壊の結果が乾季の渇水、雨季の洪水や土石流といった深刻な被害でした。Linkの活動地ホアファイ村では、このような経験を経て、住民自身による環境保全活動が始まっています(続く)。
【Linkとホイポン集落の機織りグループ】
ホイポン集落は、ホアファイ村にある4つの集落のうちの一つで、パカニョーと呼ばれる民族を中心とした戸数約40戸の小さなコミュニティーです。
Linkとの話し合いから村人が提案した、伝統的な技術を活かした機織りによる収入向上事業。Linkは昨年9月より、単なる収入向上事業としてだけでなく、さまざまな問題に対応し、村の自立を図るための活動と捉え、その支援を開始しました。10月にはグループができ、役を決め、会費も集めました。12月には村人の提案による、先進事例の見学を、自分たちで費用を捻出して実施しました。この際はLinkが村人自身による活動の優れた例として、ランパーン県のとある村を紹介。視察の準備はLinkのアドバイスを受けながら、全て村人が行ないました。他にも毎週のミーティングを通して、会計や書記など、運営面での技術向上も進んでいます。
1月には村の周辺の草木を使ったはじめての染料試作にも成功し、いよいよ草木染め製品の製作が始まりました。2月、5月にも染料試作を行って色の数も増やし、製品の種類も、当初の民族衣装と肩掛けカバンの2点からから、ランチョンマット、コースター、ポシェット、マフラー、携帯電話入れ、花瓶敷きのような布など、バラエティーを増してきました。行政の支援を受けて、3月には機織りの技術研修を受けました。5月には行政区の催し物ではじめて出店を出して、持って行った品物を完売しました。
村人自身の望んだ活動が、必ずしも順調に進まないこともあります。彼らの民族パカニョーの習慣による制約もあります。また、何よりも彼らは農業をくらしの基礎におくことが大切と考えており、これからの雨季(5〜10月:農繁期)は機織り作業はボチボチしか行われないかも知れません。販路確保や技術向上などの課題も残っています。
しかし、村人による自立のための活動例が、少しずつですが着実に進展しています。
◆これまでの活動内容(2005年)
1月 第4回Linkスタディーツアー(以下STと表記)実施(6〜10日) / <木村一時帰国>〔大阪〕〔講演:関西学院大学〕環境専門家、ST、フェアトレード関係者と打ち合わせ、
「キムを囲む会」会合出席 / 〔東京〕 環境や人類学の専門家、財団関係者と会合 2月 第5回ST(8〜11日) 3月
第6回ST(14〜20日) / 石けんづくり講習会を実施 / 今後の活動について「開発教育協会(DEAR)」と打ち合わせ /
「タックライ」会合出席 / パヤオの「21世紀農場」訪問 / ホイポン村機織りグループと、今後の方針に関する打ち合わせ 4月
北タイ産業振興局での「一村一品運動製品フェア」、チェンマイ大学主催「綿絹製品フェア」を見学 / ナーン県に、住民による機織りを通した自立のための活動を視察(6村)(3〜5日)
/ 「かながわ地球市民の会」と今後の活動について会合 / チェンライ県で住民による絹製品作成活動を視察(ヌンサイパッタナー村)
/ 滋賀大学・チェンマイ大学環境教育交流事業協力 / パックテストを使った飲料水の水質検査実施 / 5月 染色原料の植物の標本資料作成
/ 第7回ST(22〜28日) / 研修生受け入れ(27日〜6月12日)
◆帰国講演会のお知らせ
代表の木村 茂が6月13日〜7月4日まで帰国し、大阪、東京、金沢、石川などでLinkの活動報告を兼ねた講演を行ないます。一般公開されているものに関し、関心のある方は、それぞれ下記までお問い合わせ下さい。
●日時:6月22日(水) 18:30〜/場所:立教大学(東京都豊島区)/演題:「北タイ農村における資源争奪と住民の自立〜Linkによる地域の環境保全と収入向上支援事業〜」/主催:立教大学東アジア地域環境問題研究所、後援:開発教育協会
●日時:6月26日(日)〜28日(火)/場所:福井県@福井市 福井県職員会館(13:00〜)、A大野市 紫水の郷(13:00〜)、B武生市
アル・プラザ(14:00〜)/演題:「メコン川流域の国々で起こっていること」/主催:@農と地域のふれあいネットワーク あぜみちの会、A社会福祉法人 紫水の郷、Bアジア・太平洋農耕文化の会福井県有志/問合せ先(電話):玉井道敏さん(@〜Bとも) 0776-54-8100
●日時:7月2日(土) 14:00〜/場所:松陰コモンズ(東京都世田谷区)/演題:「北タイの森、水、人々のくらし」/主催:地球野外塾/問合せ先(電話):03-3373-2066
●日時:7月3日(日) 13:00〜/場所:桜木町ランドマークタワー(神奈川県横浜市)/演題:「北タイの農村における多様性とは?」/主催:地球市民の会かながわ /問合せ先(電話):045-622-9661
◆LINK展のお知らせ◆
LINKの活動報告と、支援する村人の活動や、北タイの伝統文化の紹介を目的に、小さな
展示会と講演会を行ないます。草木染めの展示即売あり! みなさん、是非おいで下さい。
●日時:6月14日(火) 〜 16日(木) 11:00〜19:00
<ミニ講演は16日の昼と夜(おいしい食事つき) 参加費1,000円 要予約>
●場所:クラフト・カフェ イ〜ハ(月曜定休)<大阪府、阪急茨木市駅から徒歩5分>
●問い合わせ:電話:072-637-0720(新田さん)
◆スタディーツアーのお知らせ
さまざまな民族が多様な文化を織りなす北タイ地方を訪れ、Linkの活動地などで土地に生きる人たちと交流しながら国際協力や開発、文化、日本との関係などについて考えます。現在、参加を呼びかけ中の第8回ツアーの日程は7月24日(日)〜30日(土)、第9回は8月7日(日)〜13日(土)。出発地は成田と関空の双方を設定しています。問い合わせ・申し込みはE-mailでkimsanx2@yahoo.co.jp
まで。また、詳細は下記のホームページでも見ることができます。
http://www.myticket.jp/CNX00.html
老若男女を問わず、さまざまな立場の方々の参加を得て、より有意義なツアーにしていければと考えております。みなさまの参加をお待ちいたしております。
◆ご支援いただいた皆様へ
いつもさまざまな方から、いろいろな形でのご支援を頂いております。Linkではご支援いただいた方々のお名前を個人情報のひとつと考えて、公開しない方針ですが、この場を借りて厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。
◆支援のお願い
現在Linkの活動は、支援者のみなさまの寄付で成り立っています。2005年度の活動資金は430万円を予定していますが、いまだ大幅に不足しております。頂いた寄付は交通費、通信費、地図作成費などの活動費全般に使われます。引き続き、みなさまのご協力をよろしくお願い申し上げます。
ご寄付の振込先:郵便局の郵便貯金です
口座番号: 00110−9−703787
口座名称: Link〜森と水と人をつなぐ会〜
◆編集後記
創刊号から、あっという間に半年が経ってしまった。せめて季刊と思っていたのだが、どうにも手が回らなかった。この間、村人の草木染めに付き合うために、天然染料の糸を使った機織りで村おこしを図る村をいくつも回ったり、原料の木や草を各地の森に見て回った。北タイの森はほんとうに美しく、しかしほんとうに美しい森は少ないことを知った。いつかそんなレポートも掲載したいと思っているが・・・。
また廃刊?と訊かれないうちに次を出したい! 相変わらず資金難です。皆様のご協力をお願いいたします。
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◎Link連絡先 E-mail: kimsanx2@yahoo.co.jp
住所:Link P.O.Box7, Phrasing Post Office, Chiang Mai
50205 THAILAND
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