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 【連載】「カンボジア漂流記」第3回  斎藤雅之
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 カンボジアこどもの家到着。私は本当に日本から来たような人が住んでいける所なのかとても不安を抱いていたのだが、外見はかなり立派だし、二階建てで個室に入れると聞いて大いに満足した。
 何しろここに着くまで日本の縄文時代を思わせる藁葺き屋根の高床式倉庫みたいで、それも少し強い風が吹いたら倒れるんじゃねーの?という感じの家ばかりしか見なかったもんだからその満足感は言い表すことができないくらいのものであった。(多少大袈裟ではあるが)ただシャワーは真水だし、トイレの水はなかなか流れてくれないしとやはり日本とのギャップは大きい。ここカンボジアこどもの家の現地責任者である通称お父さんに挨拶を済ませ、いざ部屋に入ってみるとこれまたいい。ベットはあるし窓も付いてる。雨季になると雨漏りをするらしいが、今は乾季、そのことは今は考えないようにしておこう。
 色々書いたが私が何より気にしていたのが食事。かつて日本が米不足になった際、私はあのタイ米を全く食べることが出来なかった。当然ここの主食はあのタイ米。どうしたものかなと考えながら初めての食事。なんとまあおいしいこと。これまた本当に予想外である。オカさんいわく、ここの食事は日本人の好みの味風に現地スタッフのペアさんや通称お母さんといった女性陣が作ってくれているとのこと。おいしいと感じたのは私だけではなく、一緒に来たツアーの人たちも同様に感じたらしい。
 そして食事中にはオカさんから地雷はある特定の地域にしか存在せず、その地域も把握できているから普通に生活していれば踏むことは無いと聞いてここでやっていく自信を更に深めた。なーんだ、暑いのさえ我慢できればここって極楽じゃねーかよ!
 物価は安いし日本人スタッフの高橋さんもいい人だしその外のカンボジア人現地スタッフも面白い人ばかりだし。初日からウハウハ気分に陥ってしまった私だったが、現実はやはり厳しい。ここの生活を舐めてかかった私に、日が経つにつれて色々な問題が襲いかかってきた。まず動物。今はまだ全然いない方らしいが蚊に刺されまくった。次に二階にはいないが一階に降りたと同時に、食事中昼寝中を問わずに大量に集ってくる蝿。他にも蛙やヤモリ、トカゲの化け物、そして追い討ちをかけるようにコブラがいるという。私はヘビが大嫌いである。見た瞬間に気絶してしまうのは容易に想像がつく。
 環境の悪さも表面化してきた。まずゴミ。ここにはゴミを集めて捨てるという習慣は無い。収集車が無いのだから仕方の無いことなのかもしれないが、それにしてもどこに行ってもゴミゴミゴミである。こどもの家の敷地内もゴミだらけ。決してキレイずきではない私でも目を覆うありさまだ。
 他にもある。ここの朝はとても早いのだが、暑いせいでなかなか眠れないので寝不足になる。それにここの可愛いプリンセスである赤ちゃんのスレリアップの夜泣き。
私の目の前の部屋でやるからたまらない。目に入れても痛くないくらい可愛いのだがちょっとねー。そして一番腹が立つのが近くの寺から朝っぱらから流れてくる大音量のお経。早いときは五時くらいから流れてくる。全く持って安眠妨害甚だしい。ここに来て布団に入って気が付いたら朝になっていたということはほとんど無い。必ず夜中に目が覚めてしまうのだ。まあデリケートな私だからある程度は仕方ないことなのだが、こうも毎日何かあるとやはり体調面にも影響が出た。来て四日目、とうとう下痢をした。全く止まる様子も無く、一日中何も食べることができなかった。
 これを戒めにして、自分の体の維持を徹底しようと気を引き締める私であった。