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【連載】「カンボジア漂流記」第7回 斎藤雅之
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ここポイペットは星がよく見える。少し前はもっとよく見ることができたらしいが、カジノの増殖によって景観が少しずつ悪くなっているらしい。私が来た2月にはオリオン座が真上に見て取れたのだが5月になってからは北斗七星が実によく見える。そう、ここはいくら暑くても北半球なのである。それを実感すると同時に、日本には本格的な春が到来していることに気がつく今日この頃。
さて、いままでは大雑把な話が多かったが、これからはCCHOME(カンボジア子どもの家)での私の具体的な体験談を書いていこうと思う。3月の上旬の話、日本からのツアーで音楽大学の女性が2人やってきた。オカさんはその子達に学校でコンサートをやってもらおうと、来る前からかなりはりきっていた。CCHOMEのあるツールボンロー村の小学校には図書館があり、その前がタイルで出来ていて、何でも出来るオープンスペースになっている。そこにピアノを運び込んであちこちの学校から子供たちを集めて盛大にやろうという目論見だった
らしい。来た2人の女性はそれぞれピアノとボーカルのスペシャリストで、宿舎で練習している姿を見て高橋さんとそのレベルの高さに驚いた。
そしてオカさんのビックリ発言!<斎藤さんにもギターリストとしてコンサートに参加していただきます。当然前座だけどね。>はい?聞いてませんよー!と抵抗を試みたが一瞬で却下。渋々練習することに。そしてあれこれ練習するうちに一つの決意ができ
た。うまいと思われるのは彼女たちだけでいい、私はとことん盛り上げる役に徹しよう!と。コンサート前夜、オカが言うにはまあ3、40人来ればいいんじゃないかなとのこと。なら気持ちも気楽である。思いっきりやってやるわい!と臨んだ当日、会場には人、人、人である。どう見ても300人は超えている。話が違うぞオカさん!と愚痴っても仕方なし。あっという間にコンサートは開演した。初っ端に歌うのが私の役目なので、子供たちが静かになったのを見計らってギターをかき鳴らすようにして絶叫した。なんの曲を歌ったかは秘密だが、最後に<リンダリンダ>を歌ったことだけ一応報告。こっちの子供たちはハイテンポのやかましい曲が好きなようで歌いおわったら拍手喝采してくれた。日本にいるとき、まあ若いころだが私はバンドをやっていたことがあるので多少のことでは緊張はしない。今回は子供相手ということもあるし、何より日本語がわからない連中が聞き手だから全く気兼ねなく歌うことができた。まあ自己満足だからね、なんだこいつは?と思われたかもしれないし、ここにいた日本人の評価もおっかないから聞いてない。そんな絶叫が終わると今度は音大の子
達の番。さすがにうまい!歌もピアノも綺麗だもの。
まあ会場の暖機運転ができたと思えばそれでよし。最後に彼女達の伴奏に参加してカンボジアの歌<アラピヤ>を歌った。これは子供たちも皆知っている歌なので皆で合唱することに。実に楽しかった。終わってからの充実感がなんとも言えなかった。音楽はいい。歌えば国境なんて関係なく皆で楽しむことができるから。スポーツも同じであるが。日本とカンボジアの国境を忘れることのできた一日だった。最後に音大の女の子達に一言。<オークンチュラウン!(ありがとうございました!)>
カンボジア漂流記を読んでのご感想、ご意見、ご質問等がございましたら私斎藤雅之のメールアドレスまで。ポイペットにはパソコンが無いため多少返事が遅れることがあることと思いますがどうぞこちらまで。
masayuki929@hotmail.com
2月より「カンボジアこどもの家」にスタッフとして赴任した札幌出身の斎藤君からの報告でした。【編集部】