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【連載】「カンボジア漂流記」特別編 その1 斎藤雅之
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今回から何回かに分けて特別編として続きを書こうと思う。今まであまり触れなか
ったあたりから・・・。
CCHOMEには発電機があり、夜になると起動させて電気を使えるようになる。
この辺で自家発電機があるのはここだけで、ほとんどの家は蝋燭を使って夜を過ごし
ている。あれは3月頃だったであろうか。とあるNGO団体のアメリカ人がカンボジ
ア人通訳を従えてCCHOMEにやってきた。ちょうどオカサンがいなかったので高
橋さんと私で話を聞くことになった。今から考えれば面白い光景だった。アメリカ人
が話した英語をカンボジア人通訳がクメール語で高橋さんに話し、その答えを高橋さ
んがクメール語で返してまた通訳してもらうという感じだった。その頃の私はクメー
ル語は全く分からなかったので、アメリカ人が話す英語を聞きとってなんとなくその
場のやりとりを把握していった。
アメリカ人曰く「この辺は学校が次々できて教育の施設は整った。井戸もできて水
の確保も大丈夫。道もあるから交通も困ることはない。では次に必要なものはなんだ?
それは電気だろう。」とこんな具合に一方的にまくし立ててパンフレットのようなも
のを取り出して我々に見せてきた。それは発電機の紹介のようなパンフレットで、色
々な種類のものが載っていた。彼は続けて、「この辺の住人は1日に2本の蝋燭を使
う。これを1年間使い続けるとこの発電機を買うのと同じ金額になる。この発電機は
99ドルで買うことができる。これをこの辺に普及させないか?」と言った。
おいおいちょっと待ってくれよと高橋さんと私。そんなに急いで村を発展させてい
くことは我々のやっていることと趣旨が違う。あくまでも住人の希望に添った形でや
っていくのがCCHOMEのやりかたである。こちらからこれは要らないか?と打診
していくことはしない。それに一括で99ドルものお金を払える人などここらには存
在しない。その点をどうする気かと高橋さんが問いかけるとそのアメリカ人、「村人
に借金をさせて購入させ、後日返してもらえればいい。」とのこと。なんと認識の甘
いことか。その日暮しをしている人が何時になったらそんなお金をかえせるというの
か?これには高橋さんも私も、そしてカンボジア人通訳も呆れ顔。
その後もどうだどうだ?としつこく迫るアメリカ人に高橋さんは一歩も引かず、結
局話は決裂した。高橋さんが一貫して「ここらにはまだそんなものは必要ない。慌て
て、無計画にそんなことをしてしまうとさらなる貧困を招くだけだ!」と反論をし続
けたからだ。そのアメリカ人は諦めて帰ろうと立ち上がったが最後に捨て台詞「じゃ
あおまえらの所はなんで電気を使っているんだ?なんで発電機があるんだよ?」と吐
きやがった。そんなことあんたの知ったことじゃない。こちらは日本人の受け入れや
工事のときの部品切断、そして現地に住むのに最低レベルの情報源を得るためにも発
電機は必要なんだよ。車に乗り込む際にぺっ、とつばを吐いて奴は帰っていった。
なんという奴だ。あれがNGOと聞いて呆れる。その後高橋さんと大いに憤慨した。
だがこういうNGOが蔓延っているというのもまた事実で、カンボジアだけではなく
NGOが存在する国には当たり前にある話のようだ。
現地の人間の声をもう少し聞いてもらいたいものだ・・・。