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●○●第2話:村の市場を訪れて●○●

今日はポイペットにあるカンボジア子どもの家から、ほど近いところにある市場を
訪れ、見てきたことをお話しします。

 ポイペット到着の翌日、カンボジア子どもの家の日本人スタッフ、高橋さんが
車で村の周辺を案内してくれた。市場へ向かう途中に車窓から見える風景と高橋
さんの話も興味深かった。
 まず不思議に思ったのは,ポイペットには、どこを見渡しても川や湖が見当た
らない。お話によると、道の両脇に茶色い水がたまっているが,それは川ではなく、
周りの土を掘りおこして道をつくったときにできた溝で、そこに雨水が溜まって
いるだけらしい。そんな水はもちろん生活用水としては使えないので、雨水や
井戸水を利用しているらしい。深さ1メートルくらいの大きな甕(カメ)のよう
なものに雨水を貯めているのをあちこちで見かけた。井戸は全ての家にあるわけ
ではなく、私の見た感じでは、村に1つあるかないかという感じだった。
こんな状況なので、ポイペットでは水はかなり貴重だ。
 私の泊まったカンボジア子どもの家のゲストハウスには、シャワー(お湯なんか
もちろん出ないが)、水洗トイレともに完備されている。しかし、シャワーの水は
日本のシャワーのように勢いよくは出てくれない。1日目はそれにちょっと不満を
感じていたが、村の人たちの普段の様子を垣間見ることができ、2日目からは
ゲストハウスの環境がどれだけ恵まれたものかを実感した。
 市場へ到着し、まず目に付いたのは、髪の毛が茶色い子どもがたくさんいること。
まさか染めてるわけではないよなぁ? と思い、高橋さんに尋ねてみると、栄養
失調で髪が茶色くなってしまうらしい。
(恥ずかしながら、私はそんなことも知らなかった。)
 市場の光景でもう一つ目についたというよりは、鼻についたのはゴミのにおい。
市場の前には、生ゴミもビニールもそのまま無造作に捨ててある。せっかくなので、
市場の中にも入ってみたが、中は薄暗く、下はぬかるんでおり、やはり少し生臭い
匂いがする。衛生的には決して良くない環境だと思った。しかし、ゴミ収集車などが
来るはずもなく、埋めたり焼いたりする習慣もないらしい。生ゴミは土に戻るから
いいとしても、ビニール等はせめて・・・と思うが、日々生きていくのに精一杯な
生活の中では、環境問題だの、衛生問題だのに気をつけることは、実際問題無理
なのかもしれない。
 ましてや医療に関しては全くと言っていいほど手が付けられていないようだ。
市場のちょうど向かい側に病院があった。建物は立派だが、常駐している医者は
いないらしい。多くの医者は専門的な知識などもっておらず、適当に薬を渡すだけ
のところも多いと訊いた。たとえそうだとしても、そもそもお金がないので病院に
通う人自体ほとんどいないのだが。
 日本では普通にあるものがここにはなかった。余分なモノや過剰な清潔感は必要
ないだろうが、生きていく上で最低限必要な水や、病気にならない程度の清潔感等
は必要だろうと思う。子どもたちの笑顔を見ていると、決して「貧しい=不幸」で
はないんだな、と思うが、もしかしたらモノに埋もれて生活している私たちだから
そんなことが言えることなのかもしれない...とも思った。